私は不満を抱えながら生活している。
誠実な夫との関係は今も良好、女としても認められている。
息子は私とは違うタイプだけれど、大切に育てた成果が出ているし聡明だ。

幸せなのになぜ満足できないのか。
これは多くの女性が抱えている問題だと思う。

子育ては人生を掛ける価値がある一大プロジェクトだし、自分の存在価値を実感することができる。

だけど私は思う、子供も夫も関係ない、私の人生はどこに行ったのかと。

独人時代は自分で稼いで、好きな服を買って好きなときにモデル友達とハイヤーやリムジンに乗って六本木を流していた。雑誌の編集者さんたちは機嫌をとってくれるし、私が気持ちよく原稿を書けるように遊び相手にも話し相手にもなってくれた。紹介者がいないと行けないような穴場のお店、得別に美味しいもの、全て手に届くところにあった。

今は、15年の家庭生活ですっかり調教されて、昼に出かけることにすら罪悪感を感じるようになってしまった。夜はなおさらだ。

私はこのまま朽ちてゆくのか?


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正直、わたしは一般的な価値観には全く興味がない。
自分が満足できたらそれでいい。モラルも倫理観も欠落している最悪人間だというのは自覚している。

でも、それでも理解できることはある。
私は今の生活を守らなけれ破滅する。私はまっしぐらに破滅に向かう。

夫のもとを離れても、養ってくれる男はいくらでもいるだろうけれど、
夫のように私の全てを受け入れてくれる人間はいないだろう。私は確実に不幸になる。
金がいくらあっても愛がなければ人生は灰色だ。数ヶ月もつかどうかも怪しい。のたれ死ぬのは確実だ。

私は2つの相反する感情を整理して、折り合いをつけていかなければならない。


とりあえず夫を誘って都ホテルでデートでもするかな。
あとは、小説の続きを書かなきゃね。

多分、創作活動から遠ざかっていたのが良くなかったんじゃないかと思っている。
自分の作品で名が売れて収入が得られば、私は好きに贅沢できるし、夫と子供にも自身を持って「これが私」と言うことができるだろう。
自分の才能に誇りを持てるようになれば、私はまた羽ばたける。


楽観的すぎる?
でも多少傲慢じゃなければ人生には勝てないんじゃないかな。